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2026/03/02 米国の遺族年金に対する初の司法判断

2026/03/02 米国の遺族年金に対する初の司法判断

 2026年2月25日、妻が受給する米国の遺族年金(widow's benefits)が、「みなし相続財産」として日本の相続税の課税対象となるか争われた事件で、課税を適法とする初の判決が東京地裁で下されました。この受給権は米国連邦規則集に基づき遺族が直接取得する定期金に関する権利であり、相続税法上のみなし相続財産に当たると判断されました。日本の公的年金にある非課税規定が米国の年金にない点も、立法府の裁量範囲であり平等原則には違反しないとされています。


「相続財産とみなし相続財産の違い」

 本来の相続財産は、被相続人が死亡時に保有していた民法上の財産であり、遺産分割協議の対象となります。一方、みなし相続財産(生命保険金や死亡退職金など)は被相続人が生前に保有していた財産ではありませんが、死亡を契機に取得する経済的利益であるため、税務上(相続税法上)で課税対象とみなされる財産です。これらは原則として受取人固有の権利とされるため遺産分割の対象外となり、相続放棄をした人であっても受け取ることが可能ですが、相続税の課税対象に含まれます。


「相続税法上の日本の年金と米国の年金の違い」

 日本の厚生年金などに係る遺族年金は、個別法において非課税とする規定が設けられているため相続税は課されません。これに対し、米国の遺族年金には非課税とする旨の規定が存在しません。そのため、法令等の規定によって相続人等が直接取得する「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」として、原則通り相続税法上のみなし相続財産に該当します。実質的な税負担の回避を防ぎ、負担の公平を図る観点から、米国の遺族年金は課税対象とされます。

※1 今回の判決では、米国の遺族年金の評価額は約3,600万円となり、裁判所も妥当としました。
※2 本判決は東京地裁による判決であり、確定したものではありません。今後、当事者が控訴すれば控訴審(東京高裁)へと審理の場が移り、判決内容が維持、あるいは変更される可能性があります。

担当:加村

2026/02/23 個人事業主の青色申告特別控除の見直し(令和8年度税制改正大綱)

2026/02/23 個人事業主の青色申告特別控除の見直し(令和8年度税制改正大綱)

個人の確定申告について、昨今の会計ソフトの普及率をふまえ、また一層の電子申告の推進を狙い、令和8年度の税制改正では、青色申告特別控除について見直しが行われました。

<正規の簿記の原則に従って記録(複式簿記)>

① 事業所得、不動産所得について、所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書の提出を、提出期限までに電子申告(e-Tax)を使用して行う場合(不動産事業については、事業的規模に該当が必要)
 控除額:65万円(改正前)→65万円(改正後)☆変更なし

② ①に加え、確定申告期限までに届出書の提出(※1)、かつ下記のいずれかの要件を満たしている場合
 イ)仕訳帳および総勘定元帳について、一定の要件を満たす電磁的記録の保存等を行っている場合(訂正・削除の履歴が残る等の要件を満たす優良な電子帳簿※2)
 ロ)請求書等の電子取引データを一定の要件を満たして保存する場合(請求書データ等との自動連係)
 控除額:65万円(改正前)→75万円(改正後)☆10万円の控除額増

③ 所得税の確定申告書、貸借対照表及および損益計算書等の提出を、提出期限までに書面でおこなう場合
 控除額:55万円(改正前)→10万円(改正後)☆45万円の控除額減


<簡易な簿記の方法に従って記録(単式簿記)>

・前々年分の不動産所得または事業所得にかかる収入金額が1,000万円以下の場合
 (事業所得、不動産所得両方ある場合はいずれも1,000万円以下)
 控除額:10万円(改正前)→10万円(改正後)☆変更なし

・前々年分の不動産所得または事業所得にかかる収入金額が1,000万円を超える場合
 控除額:10万円(改正前)→0円(改正後)☆10万円の控除額減

○適用時期と範囲:令和9年分以降の所得税および令和10年度分以降の個人住民税

 これまでも国・税務署はデジタル化を推進してきましたが、いよいよ青色申告特別控除額(=納税額)に差がでてくることになりそうです。
ご自身の申告方法にご不安がございましたら、当事務所までご相談ください。


※1:『国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る65万円の青色申告特別控除・過少申告加算税の特例の特例を受ける旨の届出書』

※2:モニター、説明書等を備え付ける等の電子帳簿を保存するための要件に加え、以下3つの要件すべてを満たした電子帳簿を指します。
①訂正・削除等の履歴が残ること
②帳簿間で相互関連性があること
③日付・金額・相手方による検索機能があること

○現行制度と見直し案の比較

現行制度

条件控除額
複式簿記+イ~ハのいずれか
 イ)優良な電子帳簿(訂正削除履歴)
 ロ)請求書データ等との自動連係
 ハ)電子申告
65万円
複式簿記(上記イ~ハを満たさず/書面申告)55万円
簡易簿記10万円

見直し案

条件 控除額
複式簿記+電子申告+イ・ハのいずれか
 イ)優良な電子帳簿(訂正削除履歴)
 ロ)請求書データ等との自動連係
75万円
複式簿記+電子申告 65万円
複式簿記(書面申告) 10万円
簡易簿記※

※前々年度の収入が1,000万円以下の不動産・事業所得に限定

担当:阪峯

2026/02/16 「特定生産性向上設備等投資促進税制」創設(令和8年度税制改正大綱より)

2026/02/16 「特定生産性向上設備等投資促進税制」創設(令和8年度税制改正大綱より)

 これまで中小企業は、「中小企業投資促進税制」や「中小企業経営強化税制」により設備投資を進めてきましたが、大規模な建物等は対象外または税制措置が限定的でした。
 そのため、工場新設や大規模な拠点再整備では、多額の投資額を長期間にわたり減価償却せざるを得ませんでした。
 今回新設された「特定生産性向上設備等投資促進税制」では、一定の要件を満たすことで、建物・構築物を含めた大規模投資について即時償却等が可能となり、従来制度の弱点を補完する内容となっています。

〇設備投資税制は「3段階」の選択制に
 令和8年度改正により、設備投資に関する税制優遇は、投資規模や目的に応じて3段階から選択適用する形に整理されました。
 なお、同一の設備その他一定の場合において複数制度を併用することはできません。

(1)中小企業投資促進税制
・対象
 160万円以上の機械装置、70万円以上のソフトウェア等
・メリット
 事業計画の認定が不要で、使い勝手が良い
・税制措置
 30%特別償却 または 取得価額の7%税額控除
 ※資本金3,000万円超の法人は税額控除の適用なし

(2)中小企業経営強化税制
・対象
 160万円以上の機械装置、70万円以上のソフトウェア等
・税制措置
 原則として即時償却 または 取得価額の10%税額控除
 ※資本金3,000万円超の法人は7%
・要件
 「経営力向上計画」の認定が必要のため、実務負担が大きい。
・注意点
 設備要件が細かく、投資タイミングを制度側に合わせる必要がある

(3)【新設】特定生産性向上設備等投資促進税制
・対象
 高付加価値を推進する取得価額が1件当たり1,000万円以上の建物および160万円以上の機械装置等を対象とし、これらの合計投資額が5億円以上(大企業の場合は35億円以上)の投資。
・税制措置
 即時償却 または 取得価額の7%税額控除
 (建物・建物附属設備・構築物は4%)
 3年間の繰越税額控除が可能
・主な要件
 経済産業大臣の確認
 投資計画において投資利益率15%以上を見込むこと
・適用期間
 改正産業競争力強化法の施行日から2029年(令和11年)3月31日までに経済産業大臣の確認を受けたもので、その確認を受けた日以後5年以内に事業の用に供した資産
※ 税額控除の合計額は法人税額の20%が上限となります。

 これらの制度には、対象資産・投資内容・計画認定・利益率算定方法など、細かな要件が多数設けられています。
 対象となりそうな設備投資をご検討中の場合は、事前に要件確認が不可欠となりますので、個別にご相談ください。

担当:東川

2026/02/09 暗号資産に対する課税の見直し(令和8年度税制改正大綱より)

2026/02/09 暗号資産に対する課税の見直し(令和8年度税制改正大綱より)

2026年度(令和8年度)の税制改正大綱において、暗号資産への課税方式が見直されることが明記されました。


▪現行の課税方式

これまでは、暗号資産の売買や交換、利用等から生じた利益は、他の所得と合算して課税される総合課税の雑所得とされてきました。そのため、給与所得など他の所得と合算された累進税率が適用され、税率は最大55%(所得税45%、住民税10%)に達する場合もありました。


▪申告分離課税制度への移行

今回の税制改正大綱では、暗号資産による所得のうち特定の条件を満たす取引については、株式などと同様に申告分離課税の対象とすることが明記されました。これにより対象となる取引から生じた利益は、以下の税率で課税される見込みです。

 ・所得税:15%

 ・住民税:5%

 →合計:20%

これは従来の総合課税から大幅な税率の引き下げとなる可能性が高く、暗号資産投資家にとって非常に大きな制度変更です。

ただし、税率が所得にかかわらず一律となるため、他の所得の多寡によっては改正前より税負担が大きくなる場合があることに注意が必要です。


▪損失の繰越控除が可能に

従来は暗号資産から生じた損失を翌年以降の利益と相殺することができず、税制上不利な扱いでした。しかし改正案では、最大3年間まで損失を繰り越して控除できる制度の創設も明記されています。


▪分離課税の適用対象となる暗号資産

大綱では、分離課税の対象を「特定暗号資産」とする方向性が示されており、すべての暗号資産取引が対象となるわけではありません。

「特定暗号資産」とは、登録された国内の交換業者が扱う暗号資産等をいいます。

よって、海外FXと同様に国内で未登録の業者を通じての取引は従来通り総合課税の対象となる可能性があります。


▪適用開始時期

今回の改正については、今後国会にて審議される金融商品取引法の改正法の施行日の翌年1月1日から適用されます。


適用開始時期や対象となる取引の範囲については、引き続き情報を注視していく必要があります。

担当:轟

2026/02/02 企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設(令和8年度税制改正大綱より)

2026/02/02 企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設(令和8年度税制改正大綱より)

令和8年度の税制改正により、企業グループ間の取引に係る書類保存の特例制度が創設されます。創設の背景として、企業グループ間で行われる取引は恣意的な調整が行われやすいという課題があります。このような取引に関し、内容や支払額の根拠を確認できる資料が受領・作成されていないことが多く、経費の支払額が適正であるか十分な確認が取れていないのが現状です。そのため、企業グループ間の取引の詳細が分かる一定の資料の取得・作成を義務付けることで適正化を図ることが導入の趣旨となります。


 本特例は内国法人が関連者※①との間で特定取引※②を行った場合が対象となり、保存義務のある書類※③に取引の明細や取引価格の算定根拠が記載されていない場合、これらを明らかにする書類(電磁的記録を含む)の取得・作成を義務付けるとしています。

※①大綱では移転価格税制における関連者と同様の基準により判定するとされていますが、移転価格税制上では「国外関連者」の定義は明確に規定されているものの、「関連者」については定義がないため、最終的な取扱いについては今後公布される政省令等を確認する必要があります。

なお「国外関連者」の判定基準は以下の通りです。

1.発行済株式等(自己株式を除く。以下同じ)の50%以上を直接・間接に保有し、または保有される関係

2.同一の者により、それぞれの法人の発行済株式等の50%以上を直接または間接に保有している関係(いわゆる兄弟会社関係)

3.人事、取引、資金関係を通じて、支配または被支配にある関係

4.上記1から3のいずれかで連鎖している関係

※②工場所有権等(技術、著作権、プログラム等)の譲渡・貸付

役務提供(研究開発、広告宣伝、経営管理指導、資産の維持管理等)

※③送り状、注文書、契約書、領収書、見積書、その他これらに準ずる書類、又はこれらの書類に通常記載される事項が記録された電磁的記録


 また、注意すべき重要な点は、取引価格の算定根拠となる書類が保存されていない場合、青色申告の承認の取消事由等に該当する点です。


 本特例は令和8年度4月1日以後に行われる取引から適用される予定となっております。企業グループ間での情報共有や協力体制を確立し、必要な資料が滞りなく作成・受領できるよう、業務フローを改めて整備することが重要となります


担当:堀野

2026/01/26 少額減価償却資産の特例における上限額の引き上げ(令和8年度税制改正大綱より)

中小企業者等(※)が取得した備品等を、取得価額30万円未満であれば一括で損金算入できる「少額減価償却資産の特例」について、その上限額が40万円に引き上げられる方針となりました。


<適用対象について> 

本特例は中小企業者等に該当しない場合は適用できません。

※中小企業者等:従業員が500名以下、出資金等が1億円超の組合等は300名以下が対象。


<改正のポイント>

1. 対象税目: 本特例は所得税および法人税のいずれにも適用可能です。

2. 単価の引き上げ: 1単位あたりの上限額が「30万円未満」から「40万円未満」へ拡大されます。

3. 年間限度額の維持: 合計での損金算入限度額は、現行の年間300万円の上限から変更はありません。


なお、本特例を適用する場合でも地方税である償却資産税においては課税対象となります。


<経理方式による判定の留意点>

本特例の判定金額(改正後は40万円未満)は、採用している経理方式によって異なります。

1. 税抜経理の場合:税抜価格で判定します。

2. 税込経理の場合:税込価格で判定します。

そのため、全く同じ金額の商品であっても、経理方式によって特例が適用できるかどうかの判定に違いが出るため注意が必要です。


<改正の背景と趣旨>

今回の引き上げは、近年の物価上昇やインフレに伴い、事務機器等の価格帯が上昇している実態を反映したものです。これまで「30万円」という基準がネックとなり、減価償却を余儀なくされていた高性能なIT機器等についても、一括での費用化が可能になります。


<適用開始時期>

この改正は、令和8年4月1日以後に取得する資産からの適用が予定されています。


今後の詳細な発表を確認しつつ、次年度以降の設備投資計画を検討する際の一助としていただければ幸いです。具体的な要件や、実務上の処理についてご不明な点がございましたら当事務所までお問い合わせください。


担当:杉山


2026/01/19 賃上げ促進税制の見直し(令和8年度税制改正関連 法人課税より)

 2026年度(令和8年度)の税制改正により、賃上げ促進税制の見直しが行われました。

改正の背景は、2024年度(令和6年度)に物価上昇に対応した賃上げをより促進するために賃上げ促進税制は強化されましたが、人手不足が深刻の為やむを得ない賃上げをしている中小企業が多い現状の中で、現状の賃上げ状況を踏まえた制度の見直しによるものです。


●内容

・大企業(※)向けは2026(令和8)年3月31日までに開始する事業年度まで適用。その後、廃止。

・中堅企業(※)向けは要件の見直しが行われたあと、2027(令和9)年3月31日までに開始する事業年度まで適用。その後、廃止。

・中小企業(※)向けは現状維持の措置。

・中堅企業、中小企業向けの教育訓練費に係る上乗せ要件は廃止となります。子育てとの両立支援・女性活躍支援(くるみん・えるぼし認定)に取組んでいる企業への上乗せ要件(5%)は維持されております。

(※大企業:中堅企業・中小企業以外の法人、中堅企業:従業員2,000人以下の法人、中小企業:資本金1億円以下の法人等)

 

改正前

改正後

控除率

令和8年度

令和9年度

大企業

給与等の

増加割合

3%~7

以上

10%~25

廃止

中堅

企業

3

以上

10

4

以上

10

廃止

 

 

5

以上

15

4

以上

25

6

以上

25

中小

企業

1.5

以上

15

現状維持の措置

見直しを検討

2.5

以上

30

教育訓練費の上乗せ

上乗せ

最大10

廃止(時期については記載無し)


 個人事業主(所得税)も同様の適用となります。

弊所の顧問先でも適用実績が多い制度ですので、今後の動向に留意が必要となります。


担当:岩井

2026/01/12 年収の壁の引上げ(令和8年度税制改正関連)

2026年度(令和8年度)の税制改正により、所得税の課税最低限、いわゆる「年収の壁」が178万円へと大きく引き上げられます。今回の改正は、深刻な物価高への対応と、自由民主党・公明党・国民民主党の「三党合意」を踏まえた内容となっています。


今回の改正の大きな特徴は、物価上昇に連動して基礎控除等を引き上げる仕組みの創設です。 これまでは、物価が上がっても控除額が一定だったため、実質的な税負担が増加するという課題がありました。これを解消するため、消費者物価指数(総合)に連動して基礎控除等を引き上げる仕組みが導入されます。


「年収の壁」を構成しているのは、主に以下の2つの控除です 。会社員やパートなど、給与をもらっている人に適用される給与所得控除(経費を概算で見積もって、収入から差し引く仕組み)と、すべての人に適用される基礎控除です。これら2つの合計額が令和8年度の178万円(給与所得控除74万円+基礎控除104万円)に引き上げられました。年収の壁が引き上がることで、ご自身やご家族の税負担がどう変化するのか、あらかじめ把握しておくことが大切です。


給与所得控除額

給与等の収入金額

令和6年分

令和7年分

令和89年分

1625,000円以下

55万円

65万円

74万円

1625,000円超

180万円以下

収入金額×40-10万円

180万円超

190万円以下

収入金額×30%+8万円

190万円超

220万円以下

収入金額×30%+8万円

220万円超

360万円以下

収入金額×30%+8万円

360万円超

660万円以下

収入金額×20%+44万円

収入金額×20%+44万円

収入金額×20%+44万円

660万円超

850万円以下

収入金額×10%+110万円

収入金額×10%+110万円

収入金額×10%+110万円

850万円超

195万円

195万円

195万円



基礎控除額

合計所得金額

令和6年分

令和7年分

令和89年分

132万円以下

48万円

95万円

104万円

132万円超 336万円以下

88万円

336万円超 489万円以下

68万円

489万円超 655万円以下

63万円

67万円

655万円超2,350万円以下

58万円

62万円

2,350万円超2,400万円以下

48万円

48万円

2,400万円超2,450万円以下

32万円

32万円

32万円

2,450万円超2,500万円以下

16万円

16万円

16万円

2,500万円超

0

0

0


参考ウェブサイト:

自民党HP「令和8年度与党税制改正大綱」より

https://www.jimin.jp/news/policy/212129.html

 

担当:海住

2026/01/05 新年のご挨拶

旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます 

本年はスタッフ一同気持ちを新たにさらなるサービス向上と理想(eden)に向け駆け抜けて参ります 


皆様の益々のご繁栄をお祈り申し上げますとともに 


本年も倍旧のお引き立てのほどひとえにお願い申し上げます

2025/12/22 令和8年度税制大綱

令和7年12月19日に令和8年度の税制改正大綱が決定されました。

本改正は、長年のデフレ脱却と物価高への対応、および「強い経済」の実現を主眼としています。特に「年収の壁」の解消や、大規模投資の促進などが柱となっています。


詳しくはこれから読み込んでいきますが、気になったインボイス制度の変更点をご紹介します。

1. インボイス制度に関する経過措置の見直し

インボイス制度の定着を図りつつ、小規模事業者への負担軽減を目的として、以下の見直しが行われます。


①小規模な個人事業者への配慮(「2割特例」終了後の新たな措置)

インボイス発行事業者となった小規模な事業者に対する負担軽減措置(いわゆる「2割特例」)の終了後を見据え、個人事業者に限定した新たな経過措置が設けられます。

•対象者:個人事業者である適格請求書発行事業者(免税事業者がインボイス発行事業者になった場合など、事業者免税点制度の適用を受けられない課税期間に限る)。

•内容:納付税額を売上税額の3割とすることができる措置を講じます(簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を提出すれば、翌期間から簡易課税への移行も可能)。

•期間:2年間に限り適用されます(令和9年及び令和10年に含まれる各課税期間)。


②免税事業者からの仕入れに係る税額控除の経過措置(延長と縮減)

適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)から行った課税仕入れについて、一定割合を仕入税額控除できる経過措置が見直されます。激変緩和の観点から最終的な適用期限を2年延長する一方で、控除率は段階的に引き下げられます。

•スケジュールの見直し

◦令和8年10月1日~令和10年9月30日:控除割合70%(現行の80%から引き下げ)

◦令和10年10月1日~令和12年9月30日:控除割合50%

◦令和12年10月1日~令和13年9月30日:控除割合30%

◦令和13年9月30日:制度終了


当初の予定からは2年ないし3年の猶予ができましたが、この改正をいま一度免税事業者の取引先とお話をする機会としてみてはいかがでしょうか。


自民党HP「令和8年度与党税制改正大綱」より

https://www.jimin.jp/news/policy/212129.html


担当:湊


2025/12/15 令和7年分準確定申告における税制改正の適用

年の中途で亡くなった被相続人(または年の中途で出国した者)の所得税申告(準確定申告)は、相続人が相続開始を知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の死亡当時の納税地の所轄税務署長へ行います。


令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げ、特定親族特別控除の創設などが令和7年12月1日に施行されました。

この施行日を境に、改正の適用関係が異なります。


準確定申告の提出日が11月30日までの場合

>改正前の控除額で申告後、令和7年12月1日~令和12年12月2日に更正の請求が必要。

準確定申告の提出日が12月1日以後の場合

>改正後の控除額を適用して申告。


■e-Taxでの申告時の留意事項(12月1日以後申告の場合)

令和7年12月1日以後に改正を適用して申告する場合、令和7年中は令和6年分の確定申告書様式を使用するため、e-Taxソフトでは以下の特例措置が必要です。


基礎控除

申告書第一表の「基礎控除」欄は空欄のままにし、「雑損控除」欄に改正後の基礎控除額(雑損控除があれば合算額)を入力します。

特定親族特別控除

申告書第一表の「扶養控除」欄に特定親族特別控除額(扶養控除があれば合算額)を入力します。


準確定申告は、時期や改正の適用によって手続きが複雑化しやすい傾向にあります。

お困りのことがあれば、お気軽に弊社へご相談ください。


令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等):https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf


担当:安田


2025/12/08 通勤手当の非課税限度額の引上げ

令和7年11月19日に、所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。この改正は、物価や交通費の価格高騰がすすむ中、実情の変化を踏まえ、税制上の優遇措置を見直すものとされています。

自動車などを利用して通勤している会社員などの方にとっては、負担すべき税金の金額が下がる場合があり、有利な改正となります。

改正後の1か月あたりの非課税限度額は、画像の通りです。

 

参考:国税庁 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/pdf/01.pdf


この改正は、令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。

このため、改正前に、改正前の非課税限度額を超えた通勤手当を支払っていた場合には、令和7年分の年末調整で対応が必要となることがあります。


会社側としては、本改正は、通勤手当の支給基準を見直す契機となるでしょう。


参考ウェブサイト:

国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正について

https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm


担当:奥本

2025/12/01 インボイス 負担軽減措置の期限と期間延長の検討

令和5年10月に開始されたインボイス制度では、

小規模事業者の負担を軽減するための措置が設けられていますが、

以下の軽減措置については令和8年9月に期限を迎えます。


2割特例

期限 : 令和8年9月30日の属する課税期間まで

概要 : 基準期間の課税売上高が1,000万円以下であること等の理由により

消費税の納付を免除されてきた免税事業者が、インボイス制度を機に

課税事業者となった場合、納税額を売上にかかる消費税額の2割と

することができる特例


免税事業者からの仕入に係る経過措置(8割控除)

期限 : 令和8年9月30日まで

概要 : 仕入れ先が免税事業者又は登録を受けていない課税事業者の場合、

仕入れにかかった消費税額の8割を売上にかかる消費税額から

差し引くことができる特例


上記②の経過措置について、令和8年10月1日以降の3年間は5割控除に縮小される予定となっていますが、

政府は8割控除できる期間の延長を検討しており、令和8年度税制改正に向けて議論していくとのことです。


経理処理の煩雑化や納税者の税負担を軽減するためにも、良い方向に議論が進むことを期待したいです。


担当:小野


2025/11/25 なぜ今、サイバー保険が必要なのか?

最近、大手企業の情報漏洩やシステム停止のニュースを目にする機会が増えましたが、サイバー攻撃は、大企業だけでなくセキュリティが手薄な中小企業を標的に急増しております。

特にサプライチェーン攻撃の増加により、貴社が取引先を経由した攻撃の「入り口」となって高額な賠償責任を問われるリスクが高まっているほか、ランサムウェアの深刻化により、データを人質に取られて事業の停止と多大な復旧コストが発生する脅威に直面しています。


≪サイバー事故が中小企業にもたらす主な損害≫

ひとたび事故が起きると、多額の費用が発生します。これらの費用は、一般的に賠償金よりも高額になる傾向があります。

事故対応費用: 原因調査、システムの復旧、顧客への通知費用など。

賠償責任費用: 情報漏洩などで取引先や顧客に損害を与えた際の賠償金。

利益損害: システム停止による営業利益の損失。


≪サイバー保険の保障の枠組み≫

サイバー保険は、サイバー攻撃や情報漏洩などによって発生した様々な損害を包括的にカバーし、企業の経済的負担を軽減します。

◆自社で発生する費用(費用保険)

⇒インシデント対応費用(調査・復旧・身代金)、広報費用、営業利益の損失

◆第三者への賠償(賠償責任保険)

⇒顧客や取引先などに対する損害賠償金、訴訟対応費用


自社がサイバー攻撃を受けた場合、緊急対応に必要な費用や経営上のリスクについて、具体的に把握されていますでしょうか? 

万が一の事態に備え、サイバー保険で安心を確保しておきましょう。

保障内容の詳細やお見積もりなど、ご不明な点がございましたら、担当者まで遠慮なくご相談ください。


担当:行岡

2025/11/17 ガソリンの「暫定税率」年内廃止へ

みなさんは、ガソリンにかかる税金の内訳はご存知でしょうか。

ガソリンには1Lあたり国税地方税合わせて、本則税率28.7円、暫定税率25.1円がかかっています。


今回このうち「暫定税率」が政府の方針として2025年末に廃止される見通しとなりました。軽油についても、2026年4月に廃止される予定です。

暫定税率は1970年代に道路整備の財源として導入されたもので、この部分がなくなることで、ガソリン価格は今後下がる可能性があります。


一方、廃止までの間は、価格の急変を防ぐために政府の燃料補助金が段階的に拡充される仕組みがとられています。家庭では燃料代の負担が軽くなるほか、社用車や配送車を多く使う企業では、経費削減効果が期待されます。


ただし、税収減の影響や、補助金終了後の価格動向など、不透明な点も残っているため、このテーマは今後もしっかり追っていく必要がありそうです。


担当:宇根岡


2025/11/10 収入印紙の世界

日々の業務上馴染みがそこまで無いようで、実は関わってくる事も多い収入印紙の件で先日、興味深いニュースを見ましたので紹介します。


訴訟を起こす際に裁判所に手数料たる収入印紙を収める必要があるようです。その金額は訴求額によって裁判所が公開している別表で決まるのですが、その計算が少々ややこしいようです。


早見表によれば、訴求額100万円なら1万円の収入印紙、1千万円なら5万円、1億円なら32万円…。

先日、某放送会社が元経営陣に対し50億円の損害賠償を求めた件では収入印紙だけで1,100万円もかかるようです。(1億円超の訴求額の場合は別表にも未記載でした。)

税務調査でも指摘されることが多い収入印紙に関しては、我々も専門知識をより深める必要がありそうです。


https://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/tesuuryou/index.html

参照:裁判所HPより


担当:井上


2025/10/27 中小企業をサポートする補助金・助成金・税制

近年、人材不足を解消するために、デジタル技術を活用した業務改善や生産性向上が注目されております。他方で、既存の従業員の定着、新たな人材の確保も中小企業にとって重要な課題となっております。

ここでは、中小企業をサポートする補助金・助成金・税制をご案内します。


・生産性向上

 - 1:中小企業省力化投資補助金

 - 2:IT導入補助金

 - 3:ものづくり補助金


・人材確保

 - 1:中小企業新事業進出補助金

 - 2:小規模事業者持続化補助金

 - 3:賃上げ促進税制

 - 4:中小企業成長加速化補助金

 - 5:業務改善助成金

 - 6:両立支援等助成金

 - 7:働き方改革推進支援助成金

 - 8:早期再就職支援等補助金

 - 9:キャリアアップ助成金

 -10:人材開発支援助成金


各項目に関しては、経済産業省等のホームページをご確認下さい。

ご不明な点がございましたら、弊社にご相談下さいませ。


担当:小川


2025/10/20 京都市の宿泊税の変更 一泊10万円以上は1万円に

総務省は10月3日、京都市から協議のあった宿泊税の変更について、同日付で同意したことを発表しました。

京都市の宿泊税は、「国際文化観光都市としての魅力向上」と「観光の振興」に活用されてきたが、市民生活と観光のさらなる調和・両立を図るため、観光が市民生活の豊かさにつながっていることを実感できるような施策を推進するため、その取り組みの費用として宿泊税の税額の引き上げが検討されてきました。税額引き上げ後は、126億円の税収を見込んでいるといいます。


宿泊税は、観光客を中心とした交流人口の増加や魅力あるまちづくりを展開するため等、各自治体の目指す施策の実現の財源として導入されている制度です。自治体が条例を制定し、全国13自治体にのぼる見通しです。現行の税額としては北海道ニセコ町の最高税額2,000円が目立っていましたが、京都市の変更後の税額はこれを大きく上回ります。

このほか、北海道や長野県、山梨県の富士山周辺や沖縄県など外国人の多い観光地を中心に、宿泊税の導入検討を公表している自治体は全国50近くに上っています。


[京都市宿泊税変更内容]

変更前

変更後

1泊料金/1人

宿泊税額

1泊料金/1人

宿泊税額

20,000円未満

200円

6,000円未満

200円

20,000円以上

50,000円未満

500円

6,000円以上

20,000円未満

400円

50,000円以上

100,000円未満

1,000円

20,000円以上

50,000円未満

1,000円

100,000円以上

1,000円

50,000円以上

100,000円未満

4,000円

 

 

100,000円以上

10,000円

※引き上げ後の税額は、令和8年3月1日から施行されます。


参考:税務ニュース


担当:釜﨑


2025/10/14 導入検討中の給付付き税額控除とは

自民党は10月4日の投開票で高市早苗氏を第29代総裁に選出しました。就任会見では、所得税の減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」の具体化に向け、党内で議論を始める意向を表明しました。

 

給付付き税額控除とは、税額控除に現金給付の要素を加えた制度を指します。

 

通常の税額控除では、税額を差し引いても控除しきれない部分は消滅しますが、この制度では差額を現金で給付します。そのため、所得税をほとんど納めていない層でも実質的な恩恵を受けられます。いうなれば、「税金を納めなくても還付が受けられる」仕組みです。

 

「給付付き税額控除の主なメリット」

・・・給付付き税額控除の最大の特徴は、低所得層への実質的な恩恵です。

 

①「税を納めなくても還付」を実現:通常の税額控除と異なり、税額を上回る控除分は現金で給付されます。これにより、所得税をほとんど納めていない低所得者層でも、その恩恵を直接受けられます。

②就労意欲の促進:アメリカのEITC(勤労所得税額控除)のように、所得に応じて給付額が変わる設計にすることで、働くことへのインセンティブ(誘引)を高める効果が期待できます。

 

「日本での導入における主要な課題」

・・・日本では長年検討されてきたものの、実現に至っていないのには主に以下の課題があるためです。


①所得が少なく申告義務が免除されている層への対応:最大の課題は、所得が少ないことで結果的に申告義務を免除されている層(学生アルバイトや専業主婦パート等)の所得把握の難しさです。給付の公平性を保つためには、すべての国民の所得を網羅的に捕捉できるシステムが不可欠です。

②行政コストと不正受給の懸念:制度を運用するための行政コストがかかります。また、海外の事例(EITC)のように、過誤や不正受給のチェック体制(監査や申告システムの整備)が不十分だと、制度の信頼性が損なわれるリスクがあります。


マイナンバー制度や公金受取口座の整備が進んでおり、上記の課題解決に向けた実現の基盤は整いつつありますが、まだ時間がかかると思われます。


担当:加村

2025/10/06 紙の小切手及び手形の廃止について

2021年に政府の発表した成長戦略実行計画に基づき、20273月までに紙ベースでの小切手および手形が廃止されます。


インターネットバンキングなどの普及により、紙ベースの小切手・手形の使用はあまり見かけられなくなりましたが、一方、製造業や建設業ではまだまだ使用されているのが現状です。

 

とある大手銀行では、2025930日をもって小切手帳・手形帳の新規発行受付を終了しました。また多くの銀行では、2026930日をもって小切手や手形の新規振出しが出来なくなります。

 

紙ベースの小切手や手形の代替案として、インターネットバンキングの利用や電子記録債権(でんさい等)がありますが、システムの導入や社内での研修、また取引先との契約や支払条件の見直しが必要となってきます。

新しいシステムの導入や取引先との契約条件の見直しには時間もかかる為、ぜひ早めの対応準備を進めていきましょう。

 

参考:一般社団法人全国銀行協会

https://www.zenginkyo.or.jp/tegata-kogitte-haishi/

 

担当:阪峯

2025/09/29 令和7年分 年末調整の主な改正ポイント

国税庁より、『令和7年分 年末調整のしかた』が公表され、昨年(令和6年分)からの制度改正が複数実施されます。特に基礎控除・給与所得控除・扶養控除等に関する見直しが行われており、年末調整業務に影響するため、早めの対応・確認が求められます。

 

1】基礎控除の見直し

従来一律だった基礎控除額が、合計所得金額に応じた段階的な金額へと見直されました。

 

2】給与所得控除の見直し

給与所得控除の最低保障額が、従来の55万円から65万円に増額されました。

 

3】特定親族特別控除の新設

所得者が19歳以上23歳未満の『特定親族』を有し、当該親族の合計所得金額が58万円を超える場合には、その金額に応じて、所得者の総所得金額等から最高63万円の控除が段階的に適用されます。
※年末調整で適用するには「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。

合計所得金額が58万円以下の場合は、扶養親族に対する扶養控除の適用になります。

 

4】扶養親族等の所得要件の見直し

基礎控除の見直しに伴い、以下のように合計所得金額の要件が緩和されました。

※ひとり親の生計を一にする子:所得要件は総所得金額等の合計額で判定になります。

 

5】適用時期と注意点

・原則:令和7121日から施行されます。

・年末調整には改正後の制度が適用されるため、事前準備が重要です。

・年内の給与支払:改正前規定に基づき源泉徴収を実施されます。


参考ウェブサイト

国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」参照

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/01.htm

 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」参照

https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm#a-02


担当:幸本

2025/09/22 【AI時代の税理士事務所】未来の税務はこう変わる!

最近、ニュースやSNSで「AI」という言葉をよく目にしませんか?

AIは私たちの生活だけでなく、税務の世界も大きく変えようとしています。


税理士の仕事はAIに置き換えられると言われることもありますが、AIに単純作業を任せることで、申告書の作成がスピーディーかつ正確になり、お客様一人ひとりの状況に応じた、より質の高いアドバイスや経営相談に時間を充てられるようになります。


今後、AIを活用する税理士と活用しない税理士の間には、大きな差が生まれる時代が訪れると考えています。

だからこそ、当事務所では積極的にAIを研究・活用し、より手厚いサービスを提供することで、他事務所との差別化を図ってまいります。


AIは、私たちの業務を強力にサポートしてくれるツールです。

最新技術を味方につけ、お客様の事業を力強く支援してまいります!


担当:東川


2025/09/16 年末調整の準備は早めに始めましょう!

各保険会社から、生命保険料控除証明書などが10月頃から順次届き始めます。

すでに発送の連絡があった方もいるのではないでしょうか。

年末調整は毎年11月から12月に行われますが、スムーズに進めるため、早めに準備を始めましょう。2025年の年末調整は、税制改正による変更点が多く、準備が重要になります。


■企業の担当者の方へ

「扶養控除等(異動)申告書」や保険料控除証明書の配布・回収スケジュールを早めに立てましょう。

今年は、基礎控除や給与所得控除の引き上げ、および特定親族特別控除の創設に伴い、申告書の様式が変わります。書類の不備や提出遅れを防ぐため、新しい様式での確認体制を整えることが大切です。

社員の家族構成や保険加入状況の変化も、正確に把握しておきましょう。


■個人の皆さまへ

生命保険や地震保険の控除証明書を早めに準備しておくと安心です。

扶養家族の増減や住宅ローン控除の有無も、事前に確認しましょう。

今年の変更点として、扶養親族等の所得要件が緩和されるため、扶養しているご家族の収入もあわせて確認しておきましょう。


年末調整は給与計算に関わる大切な手続きです。企業の方も個人の方も、慌ただしい年末をスムーズに過ごせるよう、計画的に準備を進めてみてはいかがでしょうか?


担当:濵村

2025/09/08 国税庁、税務調査をオンライン化へ

国税庁は令和7年9月から、税務調査のデジタル化をスタートしました。これにより、調査官と納税者が メールでのやり取り や Web会議システムでの面談、オンラインストレージを通じた資料の受け渡し が可能になります。

これまでの「電話・対面・郵送」が中心だった調査対応が、より効率的かつ柔軟なスタイルへと変わっていきそうです。


オンライン調査はあくまで「任意」であり、強制ではありません。

利用を希望する場合は、調査官に 同意書の提出やメールアドレスの登録 を行い、テストメールの確認など事前手続きが必要になります。

「メール連絡はオンライン、面談は対面」など、柔軟な組み合わせも想定されています。


導入スケジュール

・令和7年9月〜 金沢局・福岡局から先行導入

・令和8年3月〜6月 その他の国税局・税務署にも順次拡大予定


担当:轟


2025/09/01 ふるさと納税がさらなる基準厳格化へ

 2025年10月からふるさと納税の仲介ポータルサイトを経由した寄付に対し、寄付額に応じたポイント還元が禁止されますが、2026年10月にもさらなる改定が行われます。


 2026年は返礼品ルールの改定が行われ、それにより一部の家電や加工食品が対象外となる可能性があり、行き過ぎた返礼品競争に歯止めをかけることが趣旨となっています。

 具体的な内容として、生産過程の大部分を他地域に頼っている製品や、自治体名や地元キャラクターを付けただけの製品に規制がかけられます。地元企業が企画や販売のみを担い、製造工程は海外の工場に委託しているもの。海外で製造されたものを輸入し、熟成など最終工程だけを地域で行っているものが「地元で生み出された製品」といえるのかどうか。工業製品や加工品を返礼品にする場合、製品価値の過半が地元で生じたことの証明がメーカーに求められます。


 この改定により、返礼品競争に歯止めがかけられるかは不透明ですが、来年度より品ぞろえが見直されることになります。迷われている返礼品がある方は、今年度のふるさと納税で寄付をされておくのが安心かもしれません。


担当:堀野